本日はグランカクタスガーデン様(千葉県印西)で行われている月例オークションに参加いたしました。
それでは、Q&A週間最終回、「根っこ出てるの?」編です。「置き場所は?」編も少し追加です。
根っこについては水やりと並びお問い合わせの多い事柄ですが、同じ「発根済み」でも少しずつ状態が異なります。
おおまかに根っこの状態は、5種類に分かれます。
1. 根っこ切りたて(何もない。一度根を切った後、畑で栽培していない。)
2. 1年くらい畑で栽培したけど根がない(何もないけど、傷は完全に塞がっている。発根間近。)
3. 現地の畑で発根済み(輸入した植物に畑で生えた根っこが付いているもの。洗浄後にほぼ乾ききっています。)
4. 日本で発根済み。ただし、発根したて。(1ヶ所でも新しい根が出始めれば「発根済み」表記を使います。
5. 日本で発根済み。完全に根が張っている。(本体に張りがあり、時期によっては葉っぱが茂ったりしています)
上記5つのうち、「未発根」表記にするのは1と2です。
「発根済み」表記の場合は3.4.5が含まれます。(「現地発根済み」と書いた場合は3のみです。)
同じ「未発根」表記でも、2の状態だと適切な環境に置けばほぼ元気に育ちます。1の状態は難易度が上がり経験者向けです。
「未発根」のものについては、難易度を踏まえたうえでの価格設定になっています。栽培技術がある方にとってはお買い得です。
Q.「発根済みのものを買ったけど、枯れたんだけど」について。
時々聞くお話です。
「発根済み」の表記の場合、3.4.5の状態が含まれます。
5の状態の場合、これから発根させる必要はないため、もっとも栽培の難易度が低いです。
3と4の状態では、直近で一度発根しているため、適切な環境下におけばすぐに今付いている根以外がどんどん出てきやすい状態です。
反対に言えば、3と4の状態のものを根が育つのにまったく適さない環境で栽培してしまった場合は、枯れる可能性が高まります。
必ず植物の発根に適した環境で栽培してください。
(畑で発根済みの植物の場合は、今付いている根が全部生きるわけではなく、一部が生きたり、出ている根の途中や根元から新しい根が出ます。だいたい1ヶ月前後で新しい根が出始めます。)
・発根(と栽培)に適した環境のこと
まず、鉢の中の温度が上がる必要があります。
それに加え、出たての根が乾ききると死んでしまうので水分も必要です。
各Q&Aの記事の中にそれぞれポイントがありました。
・黒いプラ鉢(直射日光で温度が上がりやすい)
・1~2年植え替えない(植え替えると出そうな根が弱る)
・鉢の中が乾ききればすぐ水やり
・水はけのよい用土(濡れすぎないので温度が上がりやすい)
・用土少なく(水分を含んでも量が少ないので温まりやすい)
上記を満たしたうえ、温室やフレーム内、普通のお部屋内、どこに置くにしても、必ず鉢を触って温かくなる場所に置いてください。
具体的にいうと、一日の内で一定時間目視で(鉢の位置から見て)直射日光が当たる位置です。
最低温度が5度を切らないのであれば、昼夜の温度差はあってもかまいません。
温室、フレーム等温度をあげられる設備に比べ、普通のお部屋に置いた鉢では、いくら日当たりの良い窓辺に置いても用土が温まりきる鉢のサイズには限度があると思います。(とりあえず普通のお部屋でもきちんと日の当たる部屋なら、4号5号ラン鉢の、10月末輸入現地発根済みからの株が3鉢とも2冬超えて元気です。)
また、温室・フレームがあっても、冬季に日中鉢内部が温まらず、夜間5度以下になるようなら、置き場所の変更を考慮します。
なお、初めて日当たりの良い新しい場所に植物を置く場合、日焼けを起こし大ダメージを受ける場合があります。
念のため1週間ほどテッシュペーパー(2枚くっついているのを1枚ずつにはいだもの)を植物にかけておくと安心です。のせた後、少し濡らすと張り付きます。
植物の量が多ければ、薄い白の不織布をまとめてかけたりしています。
根が出たて、芽吹きたてのオペルクリカリヤは、日差しになれた向きから角度を変える際も気をつけます。太陽に向いていなかった側が適応しきれないのか、急に弱ることがあります。
各置場とも必要ならば季節により寒冷紗を使う等、環境に合わせて対応します。
各植物のコンディションと、各おうちの栽培環境に合わせ、扱いやすいものをお選びいただくのがおすすめです。