2017年2月26日日曜日

太陽と鉢は大切! その3

少し間が空きました。鉢のお話の続き、最終回です。

予定になかったのですが、今回は
「黒のプラスチック鉢」がなぜ良いかについてです。


黒のプラ鉢で温度を計ってみて、気になったのは、その他の鉢はどうなんだろう?ということです。
サボテンオークション日本では、どうしてもちょうどいいサイズに黒がなかった場合を除き、黒のプラ鉢を使っています。
(黒がなければ紺、さらになければ青、最後に茶色です。なるべく濃い色を使っています。)

反対に、使わないでくださいとお願いしているのは、白い鉢と素焼きの鉢です。
手軽に趣が出て、入手しやすい素焼きの鉢につい植えたくなる方が多いのではないかと、今回はすぐ用意できた素焼きの鉢と黒のプラ鉢を比べてみました。
窓際にスタンバイ。温度計を挿します。

朝8時45分に、用意した2種類の鉢に乾いた用土を入れ、鉢の底から水が出るまでしっかり水やりをしてから窓辺に並べます。
2種類とも4号鉢です。用土はプラ鉢の方が少し多めに入りました。
12度から日に当ててスタートです。

9時15分  素焼き 22度   プラ鉢 29.5度
9時30分  素焼き 27度   プラ鉢 35度
10時    素焼き 31度   プラ鉢 40度
10時30分 素焼き 36度   プラ鉢 44度
11時    素焼き 37度   プラ鉢 44.5度

両方とも順調に温度が上がっていきます。
上がってはいきますが、
素焼きの鉢と黒プラスチック鉢では、8度前後の差がありました。 

「37度まで上がれば十分じゃない。」と、ちょっと思ってしまいがちですが、数度の差は大きいです。
お風呂に入るとします。江戸っ子ぎりぎりの44.5度とぬるすぎてつらい37度では、体の温まり方がまるで違います。
人間の体温でも、37度は風邪のひきはじめですが、44.5度は上がったらいけない温度です。
36度の平熱と1度違いの37度でちょっとしんどくなることを考えたら、1度だってばかにはできません。

特に室内栽培をしている場合、直接鉢に日が当たっている間しか鉢の温度を上げられません。
曇っている間や夜間は、室温と鉢内の温度が同じになっています。
日が沈んでいない間も、直接日が当たる時間が終わると、鉢内の温度はすぐに下がり始めます。
室温により高温帯を保てる栽培方法ではないので、数分でも長く高温を得られる黒プラスチック鉢はとても大事なのです。

どうしても他の鉢にしたい場合は、この温度差をふまえて、いかにこの問題を乗り越えるかを模索してみたり、育てたい植物がどの程度まで耐えられるのか自分の環境で試してみたりと、それなりの経験(と犠牲?)が必要になるのではないでしょうか。
これはどうやって育てたらいいでしょうか?という段階の方は、必ず植えてあったプラ鉢のまま栽培を続けてください。