2020年9月10日木曜日

夏季と屋外 その4

屋外を穏やかな環境に

それでも夏の置き場所は外しかないよという場合ももちろんあります。発根済みでもまだ根が弱いということもありますし、未発根株に挑戦してしまったということもあります。
「露天」と「屋外」はイコールではありませんので、屋根や遮光など少し穏やかな環境にすれば露天より難易度が下がります。



以前ホームページの表紙でパキプスが草陰に生える話が掲載されていたことがありました。穏やかな植物置き場に「木陰」のイメージがおすすめなのですが、意外と多かった反応が「日陰に移動しました」というお話でした。

日陰では困るのです。「木陰」は葉の隙間から少し日差しが届きます。「日陰」は日差しがゼロです。
寒冷紗や遮光ネットには隙間があります。そこから日差しが入るので、温度と日差しは和らぎますが光線がゼロになるわけではありません。光合成ができます。木陰に似た環境が作れます。

布や板、壁の後ろなどは日差しが入らない日陰になってしまいます。
寒冷紗よりも遮光ネットの方が強く遮光されます。自分が置きたい場所にどちらが向くかは、植物と温度の様子を見ながら調節してください。

日が当たっていない鉢内の温度は、鉢の周りの気温と一緒に上下します。屋根や遮光の具合で鉢に日が届かなかったとしても暑い時期なら日中30℃以上の内部温度を得られますので、そこそこ元気な植物には十分かと思います。
そこそこ元気なほど根がない植物、さらに未発根となると元気な植物とまったく一緒に扱うのはやや心配です。植物本体だけ遮光して鉢だけ日に当てるなど工夫が必要になるかもしれません。このあたりに挑戦する方は経験豊富か研究中かのどちらかでしょうからご自身で試行錯誤していることとして詳細は省きます。



ちなみにサボテンオークション日本では、実生パキポディウムは露天・輸入した植物はクリア波板の屋根付き屋外置き場に出しています。(温室の置き場所が足りている時は実生だけ屋外に出しています。)
パキプスは温室です。外で栽培した年はありません。マダガスカルから来た他の属については一通り屋根付き屋外置き場に置いていた年があったと思います。
元気な株だけ外に出すようにして、調子を崩す株が途中で出た場合も温室に戻しています。