2020年9月12日土曜日

夏季と屋外 番外 夏のパキプス

こんな感じに一時的になることが。この株はこの状態でも元気です。
オペルクリカリアは特に温度に対し激しい反応をするようなのと、パキプスは育てている方が多い品種なので番外編です。


高温・紫外線カットなしの強光線・30度前後より高温の熱風、のどれかが重なると落葉を伴う不調を起こす株が多いです。耐えきる株もありますが、耐えられる株は一割を切っている感覚なので慎重な扱いをしておいた方が良いと思います。
温室のビニールは紫外線がカットされています。その上で高温すぎず寒冷紗がある場所の方が不調を起こしにくい様子です。露天や日の強い屋外なら、数割遮光できる環境を用意すると安全です。


落葉だけで済むことと、そのまま株ごとだめになって枯れてしまうことがあります。
温度変化や環境変化に敏感な株だと年に3~4回落葉を繰り返します。体力も使うでしょうから、一度それらしい反応があったらもう少し穏やかな環境になるように工夫します。


「夏」に限らず冬場でも同じような条件が重なると調子を崩す株が出ます。加温装置から熱を持ったままの風がサーキュレーター等でパキプスに当たっているような状態になると、夏季の高温時の落葉とほぼ同じ症状が出るという相談が複数件ありました。


ただの落葉なのかだめになってしまっているのかという問い合わせもあります。
ただの落葉なのか、内部にまで影響があった深刻な落葉なのか、おおまか(あくまでもおおまかです!)に判別するポイントは次の3つです。
・水を変わらずに吸っている
・葉がきれいにぽろぽろ落ちる
・落葉した細い枝が枯れていない


水を元気に吸い上げているようなら問題がないことがほとんどです。落葉により少しだけ水の吸い上げが悪くなる場合もあります。


葉がきれいにぽろぽろ落ちている時は、ただの落葉なことが多いです。
心配なのは、枯れて茶色くなった葉がべったりへばりつくような感じで引っ張っても抵抗を感じてすんなりと落ちない時です。内部や根に不調が起きていることが多いです。


葉が付いていたこの部分。爪で削った後です。緑です。
落葉した部分の細い枝が生きているか、ほんの少し落葉した箇所を爪で削ってみます。1mm程度の範囲のほんの薄皮で十分です。枯れていなければ緑系の色が見えます。
細い枝が無事だと、ただの落葉なことがほとんどです。細い枝ごと枯れているようだと、深刻な障害が起きていることが多いです。


未発根株については、発根のために鉢内の温度を上げる必要もあるので、単純に遮光をしてしまうとうまくいかないかもしれません。色々試してください。